華咲く乙女の運命

□-肆-
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『ふぅ……』




休んで10分過ぎた頃だろうか…
むこうの方からざわざわと男達がやってきた。


『(なんだろう。あの服…見た事ないな……)』


そんな事を思っていると、一人の男がニコニコしながら話かけてきた。


「ねぇ、お嬢ちゃん。何してるの…?ひとり…?」


ニコニコしすぎてなんだか恐くなる。


『す、すみません。わたし急ぎますんで…』



そう言って立ち去ろうとしたとき、男に腕をつかまれる。
その様子を見ていた他の男達も近づいてくる。


『は、離してください…!!』

「そんな事言わないでさ、俺達と遊ぼうよ♪」

「へぇ〜。キレイな顔してるじゃん!」

「これなら、高く売れるなぁ」

「いや。その前に、セックスしてからだろ!」



気づけばわたしの周りには男達の群れが出来ていた。


両腕は捕まれているため、身動きがとれない…


衣服の上から体を触られる。



『やめてください!いや…離して…!!』




「もう、逃がしたらどうだ?」


声のする方に顔を向けると、妖しげな笑みを浮かべた一人の男が木に寄りかかってこちらを見ていた。


「お前何言ってんだよ…こんな美女、滅多にいねぇよ!高く売れるぜぇー…」

「そうだ。誰がこんなイイ女逃がすかよ…」

「ヤロー共、やっちまえ!!」


そう命令が下ると、他の仲間達は剣を抜き、男に飛びかかった。


『きゃっ!』


わたしは瞬時に目を瞑った。

次に目を開けると予想外の展開に驚いた


『…っ!?』


そこには男一人が立っていて、飛びかかった男達は全員倒れていた。


『何が、起こったの…』

「ひぃ〜…」


わたしの腕を掴んでいた男は逃げて行った。



『…あ、あの!ありが……ごほごほっ…』


お礼を言おうとした瞬間、咳き込んで、その場に膝をつく。


「おい、お前。大丈夫か…」


わたしの異変に気づいた男は近づいて来た。


『…ごほ……がはっ』


口元を手で抑えるが、指と指の隙間から血が流れでる…


「お前、まさか…」



わたしはそこで意識を離した。




出会い-ハジマリ-
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