華咲く乙女の運命
□-壱-
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『待って!…』
アレ…?
目が覚めると天井に手を伸ばしている自分に気づく。
周りを見渡すがどこからどう見ても自分の部屋だった。
男の人は…?
『いつもの夢じゃない…』
いつもなら、ただ単に真っ黒な世界にぽつんっと立って、あの声を聞いているだけ。
それなのに、今日の夢は誰かがわたしを助けようとしてくれた…
見覚えのない男。
でも、その男の声にはどこか優しさを感じた…
「姫様、お体の方は…?」
襖際に声をかけられる。
『大丈夫よ、爺。』
「それは何よりでございます。
では、着替えの準備を…」
『わかったわ。』
。