華咲く乙女の運命

□-参-
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わたしは裏庭に来ていた。
裏庭の隣には、小さい頃、龍漸とよく遊んだ山がある。


久々の太陽の日差しはとても眩しく、温かかった。


『…』




「柚子。柚子!」

『誰!?』


声のする方に顔を向けた。


するとそこには少女が立っていた。
どこからどう見ても、日本人には見えなかった。


外国の方…?
なんでわたしの名前知ってるのかな…?



『えーと…』

「柚子は生きたい?」

『え…?』

「あたしも柚子と同じで時間がないの!!」

『ぇ…』

「柚子が最後の希望なの!」

『あの…言ってる意味が…』


いきなり訳の分からない事を言う少女にわたしの頭はついていけない…



「いや、あたしについて来て!!」



そう言って走り出す少女。


『あ!ちょっと…!』



どうしよう…
ついて来て!って言われたけど、お城のみんな心配するだろうな…
でも…


悩みに悩んだ結果、


『行ってみよう!
早く帰ればいいよね…』


そう決断すると、少女の後を追った。


『待って!ちょっと…』

「こっち。柚子!」


森の入り口で少女がこちらを向いて立っている。


『ねぇ、どこに行くの…?』

「今は言えない…」

『え?』

「いいからついて来て!」


そう言って、さらに森の奥へ走り出す少女。


『あ!待って!』


わたしも慌てて少女の後を追った。





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