華咲く乙女の運命
□-壱-
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わたしは【死ぬ】のだろうか?
辺り一面、真っ黒。
何もない中に、自分一人がぽつんっと立っている。
真っ黒な世界。
そして、いつも聞こえる少女の声。
「今度、今度こそ……」
その言葉の繰り返し。
とても悲しそうな声。
死んだのかな……?
「おい。」
何か違う声が聞こえる。
「お前、死にてぇのか…?」
『え?』
「二度も言わせるな。」
『……』
「……」
『生きたい。』
その時のわたしははっきりそう言った。
気づけばあの悲しげな声はなくなっていた。
「なら、俺について来い!」
そう言い放ち、男は歩きだす。
『…あ!ちょっと待ってっ!!』
男を追いかけようとするが、足が追いつかない。
『足、早ぃ……キャ!』
こけてしまった。
急いで顔を上げ男に向かって叫ぶが、止まろうとも、振り向こうともしない…
『お願い!待って……止まって!!』
手を伸ばしても届くはずはなく、むなしく空気をきってるだけだった。
やがて男は白い光に包まれ……
。