騎士たちの集会所(Knight 短編小説)
□クロス・オーバー(子豚様のお子様とコラボ!)
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交差する世界
交差する思い
出会うはずのなかった世界
出会うはずのなかった人たち
そんな世界で出会えたこと。
これは偶然?それとも……?
クロス・オーバー(Knight×ファイブ・エレメント)
「ったく……どこだよ、ここ」
オレンジ色の髪の少年は、あたりを見渡してため息をついた。
「……レイン」
ともに旅をしていた青い髪と桃色の瞳をもつ勇敢な少女の名を呼ぶ。
答える声は、ない。
周りにあるのはうっそうと茂った木々。
ここは、彼……ギルドが知っている世界ではなかった。
「どこにいるんだよ。無事でいろよ……レイン」
ギルドは青い髪の大切な仲間を思い、もう一度ため息をついた。
さかのぼること数時間。
「あ」
ギルドはいつものように仲間たちと歩いていた。
歩いていたのは、薄暗い森。
そこで、青い髪の幼馴染……レインが何かを見つけたらしく、立ち止まった。
「どうしたんですか?レイン」
茶色い長髪と黄色の瞳をもつ少女…クローディアが、立ち止まったレインに気付き、たずねる。
他の仲間たちも立ち止まった。
レインはまっすぐにある場所を指さす。
「あれ、なんだろう?」
レインが指さす先にあったのは、黒くて丸い……穴。
「近づかないほうがいい。近づくと危ないかも……!」
濃紫色の短髪の少年…アキラが言うのと、レインがふらふらと穴に近づいて行くのは、ほぼ同時。
まるで何かの魔力に操られているように、レインは穴に近づいていく。
と、その時。
「?!」
穴から強い風が吹いた。
レインが驚いた顔をする。しかし、声は聞こえない。まるで、そこだけ空間が歪んで、音をなくしたように……
「レイン!!」
「ギルド!?」
他の仲間たちの制止が後ろで聞こえた。
しかし、ギルドは止まらない。
無我夢中で、穴に吸い込まれていく大切な少女に手を伸ばす。
体が、妙な風に包まれるのを感じた。
最後に彼が見たのは、驚いた顔をしている仲間たちだった。
―― レイン…みんな……!
強い白い光と、強い風。魔力から生み出されているらしいそれに包まれたギルドは意識を手放した。