騎士たちの集会所(Knight 短編小説)

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Side ルカ


「アンバー?来たぞー?……あれ?」

ある晴れた日の午後のこと。

俺はアンバーの研究室に行った。なんか、見せたいモノがあるから来いと言われていたんだ。

でも、いってみても誰もいないし。






「ったく……忘れてんのかな」

アンバーはよくやらかす。約束したことを忘れて、遊びにいってしまったり。



もういい加減に慣れてきたんだけど。




とはいえ。この部屋には面白いものが山のようにある。

もっとも、全部アンバーが作ったモノだけどな。

たとえば、触れると逃げ出すぜんまい仕掛けの人形とか。



適当に見て回ってみると…ペットボトルに入った、水。




―― そう言えば、のど乾いたな……





勝手に飲むのはどうかと思ったが、本当にのどが渇いていたんだ。



俺は、そのボトルの水を飲んだ。



水道はあるんだから、それを飲めばいいって?

それはできない。この部屋の水は飲むなと散々アンバーに言われているからだ。

何でダメなのか、未だによくわからないけど。







「……っ?!」

不意に、視界がゆがんだ。

くらくらして、立っていられない。

何でだよ。やっぱり、飲んだらまずいものだったのか?

アンバーはジェイドと違って、ろくでもないもの作るからな……毒薬とかだったらどうしよう。

なんて。冷静に考えている自分が怖い。




あぁ。意識が揺らぐ……



ドアが開いて、誰かが入ってくる気配を感じた。アンバーか?それにしては小さい気が……



確かめる間もなく、襲ってくる睡魔に勝てず、俺は意識を手放した。






 
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