騎士たちの集会所(Knight 短編小説)

□Knight ― 純白の堕天使 ― お題小説(お題提供:あにょ様)
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(本編完結後、数年後設定です)





Side 使用人A




ここは、ディアロ城。

騎士たちがすんでいるその棟に、新米のメイドとして、勤めることになった私。

決して、家が貧しかったわけでも、家柄が卑しかったわけでもありません。

むしろ、両親には止められました。

なんといっても、まだ私は十五。働くには早い年だからです。

でも、私はどうしてもここで働きたかったのです。

「どうしてこの仕事を?」

そう聞かれるたび、私はいつもこう答えました。


―― お会いしたい方がいるのです。


これは、私のある日のお話です。






「あ」

廊下のお掃除をしていたところ、前方から歩いてきたのは、白髪の男性。

白衣は草鹿の騎士の制服。

「アル様、おはようございます!」

「あ、おはようございます……あれ?あなたは……」

アル様は、不思議そうな顔をして、私を見ました。

私が自己紹介をして頭を下げると、しばし驚いた顔をなさったあと、にこっと笑ってくれました。

"あの時"と、変わりない、純粋無垢なお顔で。

「早く、逢えるといいね」

「はい!」

そう、私は"彼"に逢う為にこの城に勤めることに決めたのですから。



そのまま廊下のお掃除を終えて、一息ついたとき、誰かが私にぶつかりました。

その勢いに、床に転びそうになった私を抱きとめる腕。

「ご、ごめん!大丈夫だったか?!」

赤い瞳が、心配そうに私を見ていました。

「いえ、平気です、アネット様」

「……!」

私の顔を見て、思い出したような、驚いたような顔をするアネット様。

「……なるほど。考えたな」

そういって、アネット様にっと笑って、私の頭を撫でました。

"あのころ"と変わりない、明るい笑顔で。






"彼"は、現在雪狼の遠征で、不在とのこと。

彼の帰りを待ちながら、私はメイドの仕事をこなしておりました。




そんなある日のこと。

「――さん!」

アル様が、私を呼びにきました。

「かえってきたよ。貴方の、待ち人が」

「本当ですか!」

私は、走って"彼"がいるといわれた部屋へ行きました。






「フィア様!」

「!」

名を呼べば、驚いた顔をして振り向く、フィア様。

"あの時"より、髪が長いものの、綺麗な蒼い瞳はそのままに。

彼は、私の姿を見て、驚いたような、困ったような顔をしました。

そして、二つに結んだ私の髪をそっと撫でて、苦笑交じりにおっしゃいました。

「淑女(レディ)になれといったのに、どうしてメイドなんかやっているんだ

 ……アリサ」

そう、彼は。

私がまだ幼いころに、私たちのすむ村を火竜から守ってくれた、強い騎士様。

私の頭の中には、明確に残っていて、その記憶は何度でも再生されるのですよ。



―― 懐かしい、回想として。






使用人Aのとある回想





はい、まさかの登場アリサちゃん。

使用人A=アリサ

につなげたくなった私のちょっとした遊び心です(おい)

そして未来篇。

お話として出てきたのは、当時の任務にかかわったアネットとアルとフィアオンリー。

おそらくルカやシストはフィアたちがメイドさんと仲良くしゃべっているのを見てきょとんなんだろうなと思いつつ。

そして、結局お題を生かしきれていない気がする…

あにょ様、ごめんなさい。





NExt。あとがき



 
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