鏈の愛音

□幕開け
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窓越しに零れる陽の光が照らし出すその廊下。

コツコツコツ─…

静寂に包まれたその場に鳴る跫音─残響。


漆黒の髪を靡かせその音の主である少女は歩を進める。



「ん…。中央は久々ですね…。」



黒と灰の瞳を揺らし,薄い桜色の唇を僅かに動かすその少女は─…
大総統紋に六芒星が模られた銀時計を持ってとある扉の前に立つ。



「はぁ…まったく,査定の為だけに旅を中断してココに来るとは…。」



溜息混じりに吐き出された言葉。

ほんの少しだけ顔を上げると扉を叩こうする手を少しだけ止め,彼女はこう言った。



「と,言うよりも。どうして査定も終わったというのに大佐に顔を見せなきゃならないのか…余計な時間を取るだけなのでやめてもらいたいですよね。ホント。」



こげ茶色の扉を前に,独りの少女は再び溜息をつく─…





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