鏈の愛音

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薄い桜色の唇を僅かに動かして,その少女は静かに言葉を零したんだ。

からは…,からは…,決して逃れられない。」

…と。






手のひらを向かい合わせ
跪くかのように地面にソレを這わせた刹那。


眩いばかりの光が燦として輝き,地面から練成されたのは…─



ふわりと広がった漆黒の髪。
獲物を定める彼女の玲瓏な金銀瞳。

妖艶に魅せられた笑みが─…美しく見えるのは俺の目が節穴だからなのだろうか?





嗚呼。それはまるで黒翼の天使─…




鏈の奏でる音。旋律。

それは空音?

それとも─………
恋?





答えは何処にも無い。
だから探すんだ。


崩れてしまったパズルを完成させる為に。
無くしてしまったピースを探すんだ。


いつか,その音の正体を知る為に─…






「ねぇ,どっちが先に見つけるか…競争してみない?」





2人だけの欠片探しを始めよう。
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