鏈の愛音
□設定
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薄い桜色の唇を僅かに動かして,その少女は静かに言葉を零したんだ。
「罪からは…,罰からは…,決して逃れられない。」
…と。
手のひらを向かい合わせ
跪くかのように地面にソレを這わせた刹那。
眩いばかりの光が燦として輝き,地面から練成されたのは…─鏈。
ふわりと広がった漆黒の髪。
獲物を定める彼女の玲瓏な金銀妖瞳。
妖艶に魅せられた笑みが─…美しく見えるのは俺の目が節穴だからなのだろうか?
嗚呼。それはまるで黒翼の天使─…
鏈の奏でる音。旋律。
それは空音?
それとも─………恋?
答えは何処にも無い。
だから探すんだ。
崩れてしまったパズルを完成させる為に。
無くしてしまったピースを探すんだ。
いつか,その音の正体を知る為に─…
「ねぇ,どっちが先に見つけるか…競争してみない?」
2人だけの欠片探しを始めよう。