novel(にゃんこ)

□真夜中の出来事。
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「はっっ!!…………。」

ゆ…ゆ、め?!
1人冷や汗をかきながら布団を跳ね除ける。

ここ最近OMC関連や、ゲーム開発の方でオーバーワーク気味で疲れが取れない毎日だったりする。
そのせいで、どうしても眠りが浅く変な夢ばかり見ては起きてしまう。

「……はぁ。」

飛び起きた直後は不安に狩られ、どうしようもない感情になってしまうが、時間が経てば
意外と夢の内容を忘れているから多分平気なんだけど…
やっぱり夢見が悪いのはちょっとしんどい。
しかもさっき見た夢は、本当にたちが悪い夢だったらしく今もモヤモヤしたままだったりする。

隣でモゾモゾと寝返りをうつ同居人の存在に気付く。
寒そうに背中を丸め身を縮めるから、自分も急いで布団にもぐる。
1人の時だとこんな夢を見た後は寝ない事(寝たくない)が多かったけど、今は…
同居人の丸めた背中をぼんやり眺めて、そっと同居人の髪の毛に手を伸ばす。

「…ん?どうしたの……」

すると、こちらに向き直りながら寝ぼけた感のある掠れた甘い声で囁かれる。
この声が堪らなく落ち着く。それが聞きたいが為に触れたようなものだけど。

「ううん、何でもない…」

それなのに、小さな嘘を付く。
何でもなくない。本当は1人で起きてるのが寂しくて、声が聞きたくて…。
なのにあなたはそう?≠ニふわりと微笑む、何もかも見透かしてるみたいに。
もそもそと自分の胸元に顔を埋め耳を当ててくる。
何をしているのかと暫く見ていると顔を上げ

「もう、落ち着いた?」

「……うん」

やっぱり見抜かれていたようで、なんとなく恥ずかしい。
もどかしい気持ちで力まかせに抱きしめる。
すると苦しいよ…≠ニ言いながら腕からすり抜けると、今度はこちらにおいでと手を伸ばされ…。

ぎゅっ。

………っ。
急に抱きしめられびっくりしていると頭の上から声が聞こえてくる。

「聞こえる…?心臓の音……」

ドクン ドクン ドクン……

暫くその一定リズムで繰り返される音を聞いていると少しずつ眠くなってきた。
どんな子守唄より、どんな安眠療法より確実に眠りにつける優しい鼓動。
もう寝てしまったのか返事はないけど、これでようやく眠りにつく事が出来そうだ…。

「おやすみなさい、健二さん。」


---真夜中の出来事。---










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みじかっ!!!
最近、紳士すぎる話しか書いてなかったので少し可愛い感じのを、と思いました!!
後悔はしてないっ!キリッ。
でも書いてて楽しかったので自分で満足ww
ココまでお付き合いしていただき有難う御座いました(*´∇`*)

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