短編

□我慢しろなんて人が悪い
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はあぁぁ。




円堂は思いっきり溜め息をついた。



今すべきことに集中できないからだ。


そのわけは、








「円堂くん、だめだめ。それはこっちだよ」



部室の大掃除。


のはずなのだが、





なぜか、部室には俺と秋以外誰もいない。



…逃げたなあいつら。



2人きりだというのにも関わらず、秋は俺に体をぐいっと近づけて、俺が持っていたファイルをぱっと取り、違う場所に綺麗に並べる。ファイルはこっちだって言ったでしょ、とにこりと笑う秋は、かなり無防備だ。


好きな女の子と、密室に2人きりというシチュエーションは、俺が意識しないはずもなく。

「じゃあ円堂くん、こっちよろしくね」

「…おぅ」


秋は、なんとも思っていないようだが、秋が俺の側を通るたびに匂う秋のほのかな優しいにおいとか、腕まくりしているジャージから見える細くて白い腕とか、






…ああ、もう!








「秋!!!」
「え、きゃあっ?!」




ぐい、とその細い腕を引っ張ると、秋はいきなりのことにその引力にうまく反応できず、思いっきり俺の体に収まってきた。
俺もまさかの展開に、少しだけバランスを崩す。


「ぅわっ」
「!」



床に倒れ込んだ俺は、背中を思いっきり打った。痛みに少し顔を歪めていると、上に乗っかっていた秋が素早くどけて、大丈夫?!と声をかけてくる。




そんな彼女は、頬が少し赤くて、瞳が少し潤んでいた。




ああ、


やっぱり無防備だ






我慢しろなんて人が悪い








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円堂くんが変態ちっくになりました←ww
アタックな円堂くん好きです。楽しい!!すごく!!(*´∀`)

キャプテンは旦那様」様に提出させていただきます!今回は素敵な企画に参加させていただきありがとうございました!!m(_ _)m
 

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