小説
□Thank you for calling
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「うう・・・どうしよう。緊張するよ〜!」
あたしは、目の前にある電話を見つめながら、大きく溜息をした。
時計を見れば、もう8時半をさしている。
どうしてこんなことになっているのかというと、原因は30分前にきた連絡網のせい・・・
ご飯を食べてお風呂に入ろうとしたら、電話がかかってきた。
かけてきたのは、あたしのクラスの学級委員。
どうやら連絡網らしくて、その内容はもうすぐ始まる文化祭について。
明日話し合うから、やりたい出し物を考えてきて、とのことだった。
連絡網なんてきたことがなかったから、あたしが連絡する人は誰かなあ〜ってプリントを見てみたら・・・
「うそっ!?く、黒崎君!!?」
自分の名前の隣に書かれている大好きな人の名前をみて、あたしはおもわず叫んでしまった。
プリントを渡されて見たときは、自分の名前の場所を確認しただけだったからぜんぜん気づかなかったけど・・・
「えー!黒崎君に電話なんてしたことないよ・・・どっどうしよう!!」
それからずっと悩んで、気付けばもう30分もたっていた。
(早くしないと黒崎君、明日困っちゃうよね・・・)
(よし!勇気を出さなきゃ!)
あたしは、受話器を取って、電話番号をしっかり確認しながら慎重にボタンを押した。