11/28の日記

19:18
ScissorHands
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 愛して


  愛して


 愛して


 愛して



ただ…愛して欲しいだけ…







アタシは#時月# #渉#。


職業は高校生と…


殺し屋。


人を傷付ける事にはもう慣れた。

アタシは子供の頃から人を愛した事もなければ愛された事もない。

だって皆アタシの事が怖いんだ。

物心ついた時から両手には鋭利な刃のついた指。

これはアタシがずっと一緒に居る武器。

気が付いたらアタシは“シザーハンズ”って呼ばれていた………







――――昼間は普通に高校に通っている。

でも他人とは最低限の接触しかしない。

だって必要ないもの。

けど最近、アタシに頻繁に話掛けてくる奴がいる。

彼の名前は伊達政宗。

右目には眼帯、何時もクラスの中心にいるアタシとは正反対の男。

「#時月#!数学のノート貸してくれ」

ほらまた…。

「どうぞ」

「Thank you!放課後には返すから」

はぁ…行ったか…

ふぅとため息をつくと携帯が鳴った。

依頼か…

画面を見ると思った通り依頼のメールだった。

スクロールして依頼メールを読んでいくと、見慣れた名前が書いてあった。

内容は、伊達組の若頭を殺せという依頼だった。

てかあいつ組の若頭かよ、見えねぇな…

なんて思っていると、また名前を呼ばれた。

「#時月#、お前下の名前#渉#って言うんだな」

「だから何?」

冷たく返すと政宗は眉間に皺を寄せながら、アタシの顔を覗き込んだ。

「お前…なんでそんなに冷たいんだ?
Cuteなfaceしてんのに」

は?

何を言いだすかと思えば、こんなこと。

「昔、親に嫌われたとかあったんか?」

一瞬ドキリとした。

親なんて嫌われるどころでは無い。

捨てられたのだ。

そして拾われた、殺し屋に。

殺し屋に育て上げるために拾われた。

「アタシに親も仲間も必要ない。
アタシはアタシがいればそれで十分。
だからアタシに話掛けないで」

こんだけ言っておけばもうアタシに関わって来ないだろう。

けど次に彼の口から出た言葉はアタシを動揺させた。

「寂しくないのか?」

……どちらかといえば寂しい。

本で読んだり、街で見たり、殺そうとした奴らが言っていた、大切な人なんて

いないし、作る気も無かった。

“愛する”とか“恋しい”なんて感情は自分には無い。

というか知らない。

こんな自分に寂しいなんて感情があったんだなぁ

なんて思ってしまうほど

今日のアタシは可笑しい。


少しの沈黙が続いていた。
この沈黙を破ったのは政宗だった。

「事情あるみたいだが、辛い時はsmileが一番だ」

そういってニカッと笑顔を作った。

…なんでだろう…

こいつの笑顔が妙に心に染みた。

幼い時に

心もブリキだ

と言われ、嘲笑われた心が少し動いた気がした。

本当に今日は可笑しい。

殺す相手に心動かされるとは…。

依頼メールに返信を送った。

《まずは様子を見る。
だからまた後で》 と…

殺すのはこの感情は何なのか分かってからでも遅くないだろう。






それからアタシと政宗はよく話すようになった。

あぁ…これが“恋しい”と言う感情なのだろうか。

何時しかアタシは政宗に触れたいという欲まで出てきた。

だけどこの手はあんたのその頬にただ触れる事さえ出来ない。

人間らしくなったってアタシは殺し屋、この手はもう血塗れ。







放課後、教室に今は1人。

ん?携帯鳴ってる…

《いつになったらダテマサムネを殺すんだ?
お前は早さが取り柄なんだろ?
ブリキの心のお前には人間ゴッコなんて必要ない》

…そうだった…。

アタシはシザーハンズ。

伊達政宗を殺すために馴れ合ってきた。

どうしてだろう?

アタシのやるべき事を思い出したら涙で教室が歪む…。

あぁアタシは伊達政宗を愛してしまったんだ…。

そして今それに気付いてしまった。

アタシにも心はあったんだ…。

ブリキではない心が…

そんなこと思っているとまた携帯が鳴った。

《お前がいつまでも行動しないから、新しい殺し屋に依頼をしたからお前はもう用無しだ。》

頭が真っ白になり涙も引いた…

用無し?

じゃぁアタシはどうしたらいいのだろうか。

…傷付けることしかアタシは出来ないなら、

貴方を傷付ける奴らをこの手で切り裂いてやればいい。

今からそれがアタシの生きる意味。

恐れられ、嘲笑われてきたこの手で。

神様…

アタシに守る力をください、
なんてね…。


ガラッ

突然ドアが開いた。

咄嗟に後ろを振り返り、武器に手を伸ばした。

しかし、そこに居たのは政宗だった。

「#渉#、こんな所に居たのか…
話が有るから探してたんだ…」

「話?
なんかあっ《ガシャン》!!」

窓ガラスを割って入って来たのは同僚の#梓#だった。
…いや元かな。

#渉#は武器を手にはめ、シザーハンズになった。

「本当に人間みたいだねぇ〜。
あのシザーハンズが。
ついでだから裏切りのあんたも殺してやるよぉ〜」

政宗の前に立って武器を構えた。

「政宗、取り敢えずアタシの後ろにいて。
あんたを守るのが今のアタシの生きる意味だから」

そう言い、アタシは#梓#に飛び掛かった。

アタシの心を動かしたあの笑顔を守るため

戦って

戦って

あの笑顔だけを

信じて

戦って

戦った


そして#梓#に手を掛けた。
もう動かない#梓#は死ぬ前にアタシに言った。

「憧れだったのに…」

少し胸が痛かった。

「#渉#…」

政宗が後ろから声をかけた。

「お前…「何も言わないで…聞いてくれる?」…あぁ…」

アタシは政宗に背を向けたまま今までの事を話した。

「アタシはシザーハンズっていう殺し屋だった。
依頼で伊達組の若頭を殺せって言われた、だからあんたに近づいた。」

背を向けたままだから表情は分からない。

「だけど、近づけば近づくほどアタシの知らない感情があって、
それが何なのか分かるまで傍に居ようと思った。

そして気付いた。

アタシは政宗を愛してしまったんだ。」

いつのまにかアタシの目からまた涙が流れていた。

「それで…何時まで経っても殺さないから、次の殺し屋が雇われて…
それが#梓#で…」

涙は止まらない…。

「この手がばれたら政宗の前から消えようと思った。この手は皆に恐れられ嫌われてきたから…。
だから…アタシはこの手と共に消えるよ…」

アタシは、武器を付けたままの自分の手を首に当てようとした。

「やめろッ!!」

一瞬なにが起こったか分からなかった。

「やめろよ…。
お前はもう…」

そういって政宗はアタシの首に回した腕に力を込めた。

後ろから抱きしめられた、と理解するには少し時間がかかった。

「あんたはアタシが怖くないのか?」

「あぁ…」

政宗はアタシの首に巻いていた腕を解いた。

「あんたはアタシの傍に居てくれるのか?」

「Sure.」

そう言いながら政宗はアタシの手から武器を取り、下に落とした。

アタシは気付かなかった、その行動に…。




優しくて

眩しくて

暖かい

   何かが

この手を通して伝わる…。
さっきまでこの手にあった武器は床の上にあり、

今アタシの手は政宗の手に包まれていた。

一瞬驚いた、だけどアタシは言葉を言い続けた。

「そうか、アタシは…」

誰よりも

何よりも

弱かった

「もう二度と傷付けない」

アタシはそう言って政宗の手から片手を取出し、

政宗の頬に触れようとする。

「今なら触れられる気がする」

「あぁ。
触れられられるぜ」

触れる手からは政宗の頬を伝わって暖かさが伝わる。

また涙が溢れだす。

「お前って以外と涙もろいんだな」

そう言って微笑みながら指で涙を拭いてくれる。

優しくてされればされるほど涙が止まらない。

もう一度

もう一度

アタシの名前を呼んでくれたら、

愛して

  愛して

愛して

愛して

愛して

愛して



愛してあげられる……。





*End*



○●○●○●○●○●○●
NemPの〔シザーハンズ〕を聞いたら

書きたくなった(笑

疲れた←


政宗夢にした理由は謎w

別にアニキでもよかったんじゃないか?

まぁどっちも好きだからいいんだ←

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15:33
タイトルなし
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