○.この執事は自称です。(L予定)
□第2話
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―――――…
どうしてこんなことになったんだろう……。
「ねぇねぇ、みんなー!」
「……」
昨日から剣城さんは、色々な人に話しかけまくっている。あたしを引き連れて。
「あぁ、なんだ香宝じゃん。どうし……ひっ!」
剣城さんが話しかけた女生徒(剣城さんの友達らしい)は、剣城さんに向き直って用件を聞こうとしたが剣城さんの隣に"高下さま"がいるものだから、かなり驚いている様子。
「あ、た、高下さま…、ご機嫌、よう……」
「あの、高下さま、どういったご用事……ですの……?」
「……」
「ひっ!」
「す、すみませんすみませんなんでもないです!」
「あの、わたくし達少々失礼致しますわ…!」
「香宝、ごめんまたね!」
そう言った女子達は、逃げるようにして教室から出て行った。いや、逃げたのか。
「あ、ちょ、みんな!……行っちゃった……ね」
「……」
「もう、ダメだよ高下さま!あんなに睨んでたら誰だって逃げちゃうよ!」
「……あなたは逃げないじゃない」
「ふふーん!あたしはほら、一応武術系の親だし?睨みには慣れてるっていうか!」
「……そう」
武術系を威張るならばもう少し運動神経を磨いたらどうかとも思う。