お話。

□雨ふりマーチ。
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もう7月だというのに、雨ふりばかりだ。

ぼくたちは、ぞれぞれかさをゆらしながら、
学校へむかう。
ゆうはもも色、ななはみどりのチェック。
ぼくは紺色だ。

そのへんのはっぱに、
かたつむりやカエルがついていないか
さがしながら、ゆっくり歩く。

あさは、みどりの匂いがとてもこくて、いい気持ちだ。
長ぐつをはいて、どうどうと水たまりに
足をつけられるのも、また楽しい。

まほと、ななと、ぼくのお母さんたちは、とても仲がいい。

ちゅうがく というところで、友だちだったらしい。
それぞれ結婚して、ここに帰ってきて、
同じ頃にこどもができて、生まれたのが ぼくたちだ。

だから、生まれたときから、ぼくたちは一緒にいる。

もうずっと一緒に遊んで、ごはんを食べ、
ケンカをして、仲なおりして、
僕たちの毎日は、こんなふうに続いている。

ゆうとななは 女だけど、ぼくだけ男。
だから、目下の願いは「弟が生まれてほしい」だ。
そしたら、きっといっぱい可愛がって、
すごく仲良くなれると思う。

ゆうとななはよくケンカをするので、
ぼくはいつも間でこまる。

ななは すぐに泣くので、あれこれとなだめたり、
そっぽを向いている ゆうの機嫌をとったりと、忙しい。

おとこっていうのは、大変だ。

「ななのばか!もうしらない!」

「ゆうちゃんとなんかあそんであげない!」

なんて言いあったところで、
僕たちのお母さんたちは、
おかまいなしに翌日も一緒にいるので、
翌日には あっというまに仲直りしてしまう。




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