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□狂花(中編)
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花弁を掴もうと、手を精一杯伸ばした。
手の中で溶け落ちる風花。
寂しそうに項垂れて、
阿呆だ、と笑ってやったら、
何故か酷く驚いた顔をした。
狂花は、返り咲きの花。
手に入れたのはやはり、風花。
触れたら、どうせ、溶け落ちる。
ならば、溶け切る前に。
…溶け切る前に。
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