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□腕
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「新八ぃ、大丈夫かィ?」

肩に、手を置かれ、自分の身体が強張っていたことを知った。
振り返ると、柔らかな金色の髪の彼が、いつもの表情の無い顔で覗き込んでいた。

「大…丈夫…です」

あの、男が、いつかいなくなることは分かっていたし、それをわざわざ自分の元に告げる真似などするわけないことも知っていた。

「大丈夫です……っ…」

震えた肩を、無言で掴み寄せられた。
下を向かせられたまま、頭を抱え込まる。

「…大丈夫じゃねぇだろィ」
「……すみません……」
「すまないと思ってんなら、黙って肩を貸されな」
「〜〜……はい……沖田さん…」

あ〜…もう、結局この人も、優しいんだよなぁ…

思わず、笑ってしまいそうになって、口を噤んだ。
下を向いていて見えない筈なのに、何故だかばれていたみたいで、ぽかり、と軽く叩かれた。

「…笑うんじゃねぇよ」

憮然とした口調が、少し拗ねているようで、また笑う。

ぶっきらぼうな言い草も、仕草も。
普段と変わらないのに、肝心な時に優しいから。
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