◇Wonderland dyed red

□Chapter‐8
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「あッ!
決して怪しい者じゃないぜ!
俺はハートの城の騎士で
エースっていうんだ」


アリスの思った事が
顔に出ていたのか
青年が慌てて名乗りを上げた。

関わり合いたくないが
名乗られた以上
名乗り返すのが礼儀かと思う。


「私はアリスです。
じゃあ、さようなら」


早口で言って
その場を去ろうとした。

が、エースに腕を掴まれ。


「まぁまぁ
いきなり降って来た事に詫び入れろなんて言わないから。
ゆっくりしてってくれよ」


なにそれ?

詫びろって言ってるようなものだし。


確かに
下敷きにした事は悪いと思い
嫌々ながらも頭を下げる。


「下敷きにしちゃって
ごめんなさい。
じゃあ、私はこれで」

「あ〜なんか
首が痛いなぁ〜。
下敷きになった時痛めたかな?」


こいつ…うざッ!!


エースは
相変わらずの笑顔で。

アリスの神経を逆撫でた。

 
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