◇Wonderland dyed red
□Chapter‐7
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『仕事に行って来るから
いい子にして待ってるんだよ』
「待ってられるかーッ!!
こんな魔王の巣窟にいたら
命がいくらあっても足りないわーッ!!」
そこにちゃぶ台があったなら
確実にひっくり返すほどの
思い出しムカ。
言われた時は
言い返す力も
ちゃぶ台返す力も無かったが。
徐々に体力が戻って来ていて
これならイケるかと
重い身体を起こしてみる。
早く逃亡しなければ
魔王が帰って来てしまう。
まだ覚束ない足取りで
自分の服を探すが。
どこを見ても、無い。
あるのは
以前ブラッドが
着せ替え遊び用に用意した服。
それが用意周到に
ベッド脇に置かれていた。
さすが魔王
抜け目が無い。
というか…執念深ッ!!
いつも飄々としている彼の
新たな一面を知った。