◇Wonderland dyed red

□Chapter‐7
2ページ/9ページ

 

『仕事に行って来るから
いい子にして待ってるんだよ』


「待ってられるかーッ!!

こんな魔王の巣窟にいたら
命がいくらあっても足りないわーッ!!」


そこにちゃぶ台があったなら
確実にひっくり返すほどの
思い出しムカ。

言われた時は
言い返す力も
ちゃぶ台返す力も無かったが。

徐々に体力が戻って来ていて
これならイケるかと
重い身体を起こしてみる。


早く逃亡しなければ
魔王が帰って来てしまう。


まだ覚束ない足取りで
自分の服を探すが。

どこを見ても、無い。

あるのは
以前ブラッドが
着せ替え遊び用に用意した服。

それが用意周到に
ベッド脇に置かれていた。


さすが魔王
抜け目が無い。

というか…執念深ッ!!


いつも飄々としている彼の
新たな一面を知った。

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ