◇Wonderland dyed red

□Chapter‐4
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ブラッドが満足して
やっと唇を離す頃には
やはり腰砕けになっており。

悔しいが
彼の手を借りなくては
立っていられなかった。


キス魔王め…

いつか仕返ししてやる。


仕方ないので
魔王の腕の中から
彼を見上げて。


「ところで
いつになったら
外出を許可してくれるの?」


ブラッドの眉が
ぴくりと動く。

ビバルディと約束してから
ずいぶんと時間帯が変わった。

きっと彼女も
待ちくたびれてるに違いない。


「…出来れば君を
他の奴らの目に
晒したくないのだが、ね」


再三の願いを
いつかそのうち
と受け流して来たブラッド。

今回もその気配を感じ
上目遣いで見つめ
アリスが毒を吐く。


「余裕のない男は
モテないと思うよ」


ブラッドの腕に
僅かに力が入る。

思いのほか
ダメージを与えたようだ。

 
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