◇Wonderland dyed red

□Chapter‐2
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僅かに頬を染めて
目配せする双子。


「可愛い女の子がいるよ、兄弟」

「可愛い女の子だね、兄弟」


確認するかのように
シンクロしてアリスを見る。


同じ顔で
じっと見つめられるのは
なんだか変な感覚だ。

こっち見んな。


「可愛いけど
侵入者なら切らないとね」

「可哀想だけど
せっかくの獲物だしね」


獲物確定。

ギラギラと黒光りする斧を構え
不敵な笑みを浮かべる双子。

縦に真っ二つの自分と
横に真っ二つの自分を
思わず想像する。


いや
まだ諦めるのは早い。

これは
私の夢なのだから
強く念じれば
願いが叶うかも知れない。

よし。


双子たちに向け
ビシッと指差して
アリスが叫ぶ。


「おすわりッ!!!!」


…………………………。

しばしの沈黙。


結論から言うと
無理だった。

思いきり意味不明な事をし
恥ずかしさが込み上げてくる。


「君、面白いね」

「うん、面白い。
僕たちと遊んでよ」

「うんうん、遊びたい」


それは
どんな遊びですか?

遊びで血を流したくないです。

 
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