◇Wonderland dyed red

□Chapter‐2
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屋敷を出て
庭を全力疾走していると。

大きな屋敷に見合う
大きな門が見えて来た。


少しの間
敷地の外に避難しようかと
その門へと近付く。

すると
何やら話し声が聞こえて来る。


「僕たちの斧は
カッコイイね、兄弟」

「そうだね、兄弟。
研いだばかりだからピカピカだよ」

「見た目も大事だけど
切れ味も良くないとね」

「切れ味試したいね。
早く誰か来ないかな」


見れば
アリスと同じような背格好の
良く似た双子の少年たち。

その手には
背丈を超える大きな斧を
各々握っている。


うん。

嫌な予感がする。


触らぬ神になんとやら。

気付かれないよう
そろ〜りそろりと後ずさる。

しかし
お約束のように木の枝を踏み
パキリと快音が響いて。


あ、目が合ってしまった。

 
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