◇Wonderland dyed red
□Chapter‐17
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ブラッドに、会いたい。
でも、会いたくない。
独占欲の強い彼の事だ。
他の人に汚された私を
許してはくれないだろう。
でも、会いたい…。
取り留めない想いを抱きながら
アリスは
夜の森を彷徨っていた。
「あれ?
もしかしてアリス?」
俯き歩くアリスの耳に
呼び掛ける声が聞こえて。
辺りを見回すが
その姿は見えない。
「やっぱりアリスだ!」
そう言いながら
暗闇から溶け出て
走り寄って来たのは
ボリスだった。
「ボリス…」
「こんな所で何やってんの?」
「…犯されてた」
「え。
い、今、なんて…?」
「好きでもない人に犯された」
自分の言葉で
その事実を実感し
アリスの瞳に涙が溢れた。