◇Wonderland dyed red
□Chapter‐12
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また、あの夢だ。
薄暗く、音も無い
虚無の世界。
そんな言葉がぴったりの、夢。
と、いう事は。
「いるんでしょ!?」
「いるよ」
アリスの呼び掛けに
ナイトメアが
当然のように返事を返す。
「あなたが
道を開いたの?」
「そうだよ」
ユリウスが言っていた仮説も
あっさりと肯定する。
「この前はそんな事
一言も言わなかったじゃない」
「聞かれなかったからね。
『なぜ?』とは聞いたけど
『どうやって?』とは
聞かなかっただろう?」
屁理屈を…。
ムカつくから
首でも絞めてやろうか。
「物騒な事は止めてくれ」
アリスの考えを読み
ナイトメアが
慌てて後ずさった。