◇Wonderland dyed red

□Chapter‐6
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アリスが目覚めると
そこは帽子屋屋敷で。

何度か入った事のある
ブラッドの部屋だった。


「やっとお目覚めか、アリス。
気を失わせるつもりはなかったのだが…すまなかったね」


ブラッドの言葉に
状況を理解する。

彼の手により首を絞められ
そのまま気を失ったのだと。

アリスの返事がないので
心配そうに顔を覗き込む彼の。

その視線から
逃れるように身を捩り
アリスが口を開く。


「…近寄らないで」


自分でも驚くほどの
冷たい声が出た。


「やれやれ…
機嫌を直してくれないか?」


アリスに反し
ブラッドの優しい声が滑稽だ。


「…あなたたちは
人の命を何だと思ってるの?
くだらない事で
撃ったり撃たれたり。
そんなの…耐えられない」

「それは聞き捨てならないな。
くだらない事ではないよ。
誰あろう君の為だ」

「それが嫌なの!
私なんかのせいで
誰かが傷付くなんて…。
とにかくもう
ここにはいられない」

「…それで?
奴の所に戻るのか?

…奴はそんなに良かったのか?」

「そんな事言ってなッ…!?」


アリスの否定の言葉は
キスで飲み込まれた。

 

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