◇Wonderland dyed red

□Chapter‐4
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最近の私は
おかしい。

いや
元々おかしかったが
特におかしい。


「アリス」


…まただ。

ブラッドの声を聞くと
金縛りに遭ったかのように
身体が動かなくなる。

オリンピックに出れそうなほどの速さで
逃げ回っていた自分が懐かしい。


感傷に浸る間もなく
ブラッドの腕が
アリスを完全に捕らえて。


「ふふ…良い子だね」


そして
キスに、溺れる。


予感はあった。

近付いてはいけないと。

近付けば
離れられなくなると。


後悔と諦め混じりの
吐息が漏れる。

激しいキスに慣れた
(というか慣れさせられた)
とは言え
執拗な攻めに気が遠くなり。

それでもなお
普段のだるそうな彼からは
想像も出来ないほど
激しく攻め続けるブラッドを恨む。


…死ねばいいのに。

 
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