◇Wonderland dyed red
□Chapter‐2
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このおかしな世界は
時間の流れもおかしかった。
始まりは
赤く染まる夕方で。
昼が来て
夕方が来て
また昼が来る。
身体に疲れはあるものの
すっかり眠るタイミングを逃してしまった。
仕方ないので
与えられた部屋を出て
屋敷内を徘徊していると。
廊下の向こうから
相変わらずおかしな帽子をかぶった男が歩いて来て。
「やぁ、アリス
こんなところにいたのか。
見てごらん
君の為に用意した洋服だ。
さぁ、着せ替え遊びをしよう」
怖いくらいに目がキラキラしているので
とりあえずダッシュで逃げ出した。