上琴小説「長編」


□四章 運命の日再び 御坂との再会
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四章

当麻は朝早くに目が覚めた。

今日は12月24日、御坂が死んだ日である。

そして、過去の御坂が助かるかどうかという重要な日でもある。

今日はみんなと8時30分ぐらいにファミレスに集合することになっている。

だが今は7時である。

少し早く起きすぎたようだ。

緊張してるからかもしれない。

当麻は着替え、朝食を作ることにした。

貧乏学生なため、豪華なものはない。

とりあえず、スクランブルエッグとトーストで済ませることにした。

当麻「いただきます」

なかなかうまい。

当麻はそう思った。

自分で作るものはうまい。

当麻は別に料理がとてもできるってわけじゃないが、自分で作るものはうまい。そう当麻は考えた。

当麻「ごちそうさま」

食べ終えると当麻は食器を片付け、歯を磨いた。
当麻「そろそろ行くか」

当麻は早く出かけることにした。

当麻「さみーな」

外は雪が降っていた。

当麻「あの時みたいだな」

そう、過去に御坂といっしょに買い物に行ったときも雪だった。
当麻はふとそのことを思い出した。


ファミレスには30分ぐらいでついた。

当麻「まだみんな来てないだろうな」

そう言いつつ当麻は中に入る。
だが、店の中で一人の少女が当麻に文句を言ってきた。


白井「遅いですわよ上条さん」

まっさきに白井が文句の言葉を言う。

初春「遅かったですね」

なんと、すでにみんな来ていた。

当麻「なんだ、みんな来ていたのか」

みんなもう来ているとは。

当麻は意外に思う。

だが、逆にうれしく思った。

佐天「みんないてもたってもいられなくて、みんなで一緒に来たんです」

御坂を助けたいという気持ちはみんな同じようだ。

だからみんな集合時間前に来たのだろう。

もちろん自分も同じ気持ちだが、みんなはそれを遙かに超えていた。ちょっと悔しく思ったが、今はそれは心に止めておこう。


当麻「そうか。みんな、御坂から電話あったか?」

白井「いえ、みんなありませんの」

初春「心配です・・・」

佐天「う〜い〜は〜る〜!」

そう言い、佐天は初春のスカートをめくった。

初春「な、何をするんですか佐天さん!」

毎度同じく初春が文句を言う。

佐天「いや〜。初春が緊張してるからほぐしてあげようと思って」

今回は初春のためにしてあげたらしい。

初春に笑みがこぼれた。

初春「・・ありがとう佐天さん」

初春「でも、こんな時までしないでください」

少し本音をぶっちゃけた初春だった。

確かに、ホントはこんなことをしたらセクハラだと思うのだが。

佐天「ごめんごめん」

そう文句を言いつつも初春は笑顔になっていた。

当麻「相変わらずだな」

当麻はそう思った。

初めて会った時からしていた。おそらくこれからもするだろう。
だが、これが佐天と初春のコミュニケーションであり、二人が仲が良いという証拠だった。

当麻「それより、みんな朝ご飯食べてきたのか?」

こんなに朝早くなので、みんな食べてきてないんじゃないかと思い、当麻は心配する。

初春「いや、食べてきてません」

白井「私もですわ」

案の定みんな食べてきていなかった。

そこで佐天が提案をした。

佐天「私も・・あ、じゃあ今からここで食べませんか?」

当麻「俺も今そう言おうと思ってた。俺も少ししかたべてなくてな」

当麻「俺も食べるよ」

佐天「じゃあ、食べますか!」


それから食事の後、話などしたり、御坂に電話をしてみた。
だが、御坂にはつながらず、御坂から電話もなかった。

とりあえず、今日は帰ることにした。

帰り道


佐天「いよいよですね!」

初春「はい、明日が勝負です」

白井「お姉様・・・・」

白井の声はとても不安そうな声だった。

初春「大丈夫ですよ白井さん。御坂さんなら帰ってきますよ」

白井「しかし・・・」

当麻「白井、お前も御坂には助かってほしいだろ?」

白井「当たり前ですわ!」

当麻は白井の頭をなでながら言った。

当麻「だったら信じようぜ御坂を」

当麻「考えたってしょうがねえ。それに御坂は絶対帰ってくるって約束したからな」

白井「そうですわね。信じますわ、お姉様を!」

当麻「その調子だ」

白井は笑顔になっていた。
当麻は昔からこういうことが得意である。


当麻の家の前についた。

当麻「じゃあここでな」

初春「明日またファミレスですね?」

あたり前だが初春が確認をとる。

当麻「ああ、そうだ。ちゃんとご飯食べろよ」

年上なので、一応みんなにアドバイスする。

佐天「上条さんこそちゃんと食べてくださいよ」

逆に言い返された。確かに自分もちゃんと食べていなかった。墓穴を掘ってしまった。

初春「じゃあ、さようなら。明日を楽しみにしています」

白井「上条さん、また明日。今日はありがとうですの」

白井が礼を言う。

少し恥ずかしく思う当麻だった。

当麻「みんな、また明日」

当麻達はそれぞれの家に帰った。


当麻「いよいよか・・・・」

当麻「御坂・・・・」

当麻が一番心配していた。

御坂は許してくれたが、自分が御坂を死なせたのである。

当麻はまだそのことを少し引きずっていた。

当麻「考えたってしょうがねえか。そのとおりだな」

当麻「今日は早めに寝とくか」

当麻は明日のために早く寝た。
明日、ついに待ちわびた日が来る。

御坂は帰ってくるかは分からない。

だが、当麻は信じるしかない。

御坂が笑顔で帰ってくることを・・・・
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