短編

□古典的恋愛方式
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「ん!?」

こいつは・・・
同じクラスの高城だ
派手って訳でもなく地味って訳でもなく、普通に頭よくて運動もそこそこ・・・だよな?
とにかく、マンガとかだったらモブキャラみたいな奴だ

「な、なんだよ高城・・・お前うんこしたいなら1人でしろよな」

「ぷっ、本当高町っておもしろいよね」

高城は小さくクスクス笑っていた

「考えてることすぐ顔に出るし、動きも気持ち悪いし」

「はぁ!?お前失礼だなっ、俺は普通に生きているだけだ!」

「そうだな、そうだ。お前はのびのび生きているだけだな」

そう言って高城は俺の頭を撫でた
わしゃわしゃとまるで犬だ

「ほんと、かわいい・・・」

ふっと顔が緩み笑顔になったので驚いた

「た、高城・・・む、むらむらとかすんなよ!てか急に笑うなよ!か、勘違いすんだろ!嘘だけど!」

俺は焦りすぎてトイレの個室から出る、ということをすっかり忘れていた
何よ、何か高城の笑顔って魅力的だよな・・
う、ううぅいやだ
そんなことない
頭の片隅がうるさい

手紙の差出人は高城じゃないか、って

「・・・そんな怖がらないでよ。取って食ったりしないよ」

「うっ・・・お前、本当にうんこしたいだけなんじゃ」

「え?そんなに見たいなら別にいいけど・・」

「遠慮します!」

「あはは・・・いつか、返事くれると嬉しいな。じゃあ」

まるで俺が考えていたことを分かっていたようにその言葉を発してトイレから出ていった

な、ななななんだっ
胸の動悸が治まらない
じゃあ、あのイタズラの犯人は、高城なのか


じゃあ、あいつは俺が好きなの?

そんな俺ら関わってないよな?
てかあいつも・・・・男に・・・ぐっ

ごめんなさい、男は柔らかい女の子の方が好きだ
よし、興味ないって言えばいいよな

放課後に言うか・・・

そんなことばかり考えていたからとっくに授業開始のチャイムなんか聞こえなかった



―――――――――


放課後は怖い先生の授業に遅刻したから生物室の掃除をやらされてしまった
普段は全くと言っていいほど掃除されていないからほこりは凄いし、汚いし、今日解体の授業だったから少し生臭さも残っていた

うーくそー
これも高城のせいだ!

人のせいにしても何も始まらないのでとりあえず掃除を始めた。
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