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□DO THE “I LOVE YOU”
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【DO THE“I LOVE YOU”】



ふとした時に思う。
“幸せだ”って。

例えば今だって、彼女は生徒会長として、相変わらず忙しく執務中で、俺の視線に気付くと、いつものように素っ気なく、
「用がないなら早く帰れ」なんて憎まれ口を聞くけど、それがただの照れ隠しなのは、耳まで赤く染まった顔を見ればすぐにわかる。

「帰るよ?でも、彼女の仕事が終わるのを待つっていう大事な用があるから、まだ帰れないかな」
真っ赤な顔の彼女を見つめたまま囁くと、困ったような顔をして何かを思案した彼女がポソリと呟く。
「もう終わったから…だから、帰るぞ」
言葉とは裏腹に、机の上には書類の束。
「いいの?」
窺うように彼女を見れば、いっそう朱を濃くした彼女はもじもじと口を開く。
「別に、あれは急ぎじゃないし……それに…私もたまにはお前とゆっくり過ごしたい……」

やられた…。
放課後、二人きりの生徒会室、目の前には可愛い彼女……。
これで我慢できる男が、どれ位いるんだろう。

俺達は手を取り合って他の何処よりも安心できる場所へ向かった……。



end

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