novel

□Liberation(R‐18)
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朝は苦手だ。

それでもいつもは、可愛い彼女におはようを言う為になんとか起きていたのに、今日は寝過ごしてしまった。
今から学校に行っても授業には間に合わないけど、彼女の下校時間までには十分間に合うはずだ。
俺はカバンを手に取ると彼女のいる学校へと向かった。

下校する生徒の波に逆らって歩く俺の耳に、聞き逃すことの出来ない名前が飛び込んでくる。
好奇と興奮でもって語られる内容は、俺にとって到底許すことのできないものだった。



邪魔な役員達の足音が聞こえなくなるのを待って彼女に問い掛ける。
「もちろん、断ったんだよね?」
確認のつもりで言った台詞に、予期しない言葉が返ってくる。
「−−まだ…何も…」
「断らなかったんだ……!」
彼女の返事に、頭に血が上るのを感じる。
「返事は後でって言われて、それで…」
言い訳のように続ける彼女に、苛立ちが大きくなっていく。
「伊藤先輩ね…なんとなくだけど、知ってるよ。悪い気はしなかったんじゃない?人気のある先輩に告白されて」
「そんな事…」
俺から目を逸らす彼女の顎を掴み、強引に正面を向かせる。
「みんなの前で告白されて、ドキドキした?……いくら可愛い彼女でも、許せる事と許せない事があるって教えておいたほうがいいみたいだね」
俺はネクタイを緩めると、怯えた瞳の彼女の荒々しく口付けた。

「っ碓氷…こんな所で、何を考えてるんだ」
俺の唇から逃れた彼女が荒い息のまま睨みつける。
「鮎沢こそ、大きな声出さない方がいいよ。見られたいなら別だけど」
「なっ……お前、まさかここで…ッ」
俺の意図を悟った彼女が身を翻して逃げるよりも早く、解いたネクタイで彼女の手を後ろ手に縛り、そのまま机に押さえ付ける。

「いッつ…碓氷、痛いっ離せよ」
上半身を俯せに押さえ付けられた彼女が苦しげに呻くのを無視して、机からはみ出した脚を撫で上げると、
「っ止めろ!」
切迫した声を上げて、俺に向けて後ろ蹴りを繰り出す。

彼女が放った後ろ蹴りを捕まえるともう片方の脚も一緒に持ち上げて、俯せに押さえ付けていた上半身を反転させる。
「鮎沢…おとなしくして。じゃないと俺、何するかわかんない」
「嫌だって言ってるだろっ」
なおも足をバタつかせて抵抗する彼女に舌打ちをして腰からベルトを引き抜くと、彼女の脚をひと纏めにして膝上の辺りをベルトで留める。
「本当、行儀の悪い脚だね」
「碓氷…っ」
血の気の引いた顔で俺を見上げる彼女の双眸は紛れもない恐怖の色に染まり、それが尚更俺の劣情を煽る。
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