novel

□RAZZLE DAZZLE(R‐18)
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不穏な空気に気付いた時にはもう手遅れだった。

いつものように放課後を碓氷の部屋で過ごす為にここに来た私をあいつはにこやかに出迎え、拘束した。

後ろ手に手錠をかけられた私は引きずられるように寝室へ連れていかれ、ベッドの上に投げ出された。

「何するんだよっ」
私は目の前の男に怒気もあらわに抗議する。
「何って…わかるでしょ?」
ニヤリと笑い私の唇を舌でなぞる碓氷はどこか楽しそうに見えて、それがいっそう私を不安にさせる。

抵抗する私をものともせず碓氷は器用に服を脱がせていく。
拘束された上半身は前をはだけられ、下半身はすべて取り払われてしまった。

「や…やだ…もう…」
恥ずかしさで身体が熱くなる。
「碓氷…どうして……」
何故こんな事をするのかと問えば、
「どうしてって…まぁ、一言で言えば‘お仕置き’かな」
碓氷は悪びれた様子もなく淡々と告げる。
「お仕置きさせる覚えはない」
精一杯の虚勢で碓氷を睨みつけるが気にもとめずに言葉を続ける。
「無防備な美咲ちゃんに、男っていうものを教えてあげる」
笑いながら聞かされた台詞に私の心臓は早鐘のように脈打った。

「口は塞がないから、イイ声聞かせてね」
嫌がる私に耳栓をつけさせ目隠しを結わう。
視覚と聴覚を奪われた私に口付けが落とされる。
激しく舌を絡められ、思考がマヒさせられていく。
肌を滑る指が、私を追い詰める。

自分の息遣いと喘ぎ声だけが頭の中で響く。
碓氷が傍にいるのは気配でわかる。
だけどどんな顔をしてるのか、何を考えているのかまるでわからない不安に心が震える。

「ひっ…や、イヤ…」
碓氷の唇が肌を掠めるだけで全身が粟立つほどの痺れが走る。
ほんの少しの刺激にも鋭敏になった身体は大袈裟に反応してしまう。

一方的に与えられるもどかしい愛撫が私に焦燥を募らせる。
首筋を舐め上げられそのまま耳元を強く吸われる。
小さな痛みがそこに痕が付いた事を知らせる。
「っ碓氷…そこは…−−」
困る、と続けようとした言葉は碓氷の唇に飲み込まれてしまった。
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