novel 4

□We wanna funk,we need a funk(R‐18)
1ページ/3ページ


ときどき、碓氷は酷く子供じみたわがままを口にする。
そのわがままを叶えてやる事に否はないのだが、わがままがエスカレートする事も、いつもの事なのだ。
ひざ枕に頬を擦り寄せる碓氷が甘えた眼差しでキスを要求する様も、むしろ好ましく思う。

−−もちろん、本人に言う気はないのだが。

『キスして欲しい』

普段は口にしない望みを叶える事に吝(ヤブサ)かでないが、易々と従っては今後のわがままに影響があるかもしれないと私が渋っていると碓氷は少し譲歩をみせる

『ねえ、唇じゃなくてもいいから、お願い』

ここまで言われた私が仕方のない風を装って、芽生えた悪戯心のままに碓氷の耳たぶに軽く歯を立てると、碓氷は驚いたように瞳を見開く。
碓氷を驚かせたことに満足を得た私が膝の上の柔らかな明るい色の髪の毛を撫でていると、碓氷は驚いた瞳のまま私を見上げる。

(いつもいつも、お前に遣り込められる訳じゃないんだからな)

少し勝ち誇った気持ちで口の端が上がるのを感じていると、碓氷は徐々にその表情を不穏なものへと変えていく。

「−−そっか…、わかったよ。鮎沢」
勝手に何かを納得したらしい碓氷は、腕を伸ばして私の首に手を置くとそのまま引き寄せて私の首に口付ける。
口付けにゾクリと身体を震わせる私に碓氷は笑いを漏らして口を開く。
「自分から誘ったくせに、これだけで震えててどうするの?」
「っな…」
身に覚えのない、まさに言い掛かりに言葉を詰まらせる私に構わず碓氷は私の首筋を舐め上げる。
「可愛い彼女から誘惑されて、我慢できる男なんていないよ」
「誘惑なんて、してないッ」

勝手なことを言う碓氷から逃れようと身を捩ると、今度は私の喉に唇が当てられる。
「っ…ぁッ」
「とぼける気?鮎沢が耳にキスしてくれたのに?」
耳に噛み付いたことが何だと言うのか。
訳の解らない弁に戸惑っている内に、碓氷の唇は胸元に滑りささやかな膨らみの頂を食む。
「本当に解らないみたいだね。…あのね、キスの場所には意味があるんだよ」
「そんなの…、私は知らない」
頂を含んだまま喋る碓氷にゾクゾクと震える身体で睨みつける。
しかし碓氷は私の視線を軽く受け流して頂を甘く噛む。
「ッアぁ…!」
「ちなみに、俺がした首へのキスは“欲望”で、喉が“欲求”。今してる胸へのキスは、“所有”だよ」
「こんな…の、キスじゃない…」
硬くなった先端を舌で押し潰すように舐め上げる碓氷に反論しても、碓氷は私の反応を面白がるように執拗に頂を弄ぶ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ