novel 4

□抱夏−ダキナツ−(R‐18)
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(また、か…)
最近彼女と出掛ける度に俺を悩ませる問題を前に、俺は彼女に聞こえないようにため息を吐く。

一縷の望みを持って待ち合わせ場所に到着した俺は、すでに俺を待っていた彼女を見て落胆する。
もう少しだけでいいから自分の魅力に気付いてくれれば、俺がこんなにも気を揉む必要もないのに。
俺が隣に居るというのにチラチラと彼女を盗み見る気配が止む事はなく、その事実もいっそう俺を苛立たせる。

(…今日こそ言った方がいいのか?)

しかし彼女の好みに口を出す事は憚られ、結局はいつものように彼女を振り返る男達を睨みつけながら目的地へと向かうだけだった。



「なあ、なんでそんなに怒ってるんだ…?」
家に着くなり会話もそこそこにソファに座り込んだ俺の横に座った理解力の乏しい彼女が問い掛ける。
「−−デート中にナンパに着いて行こうとする彼女に怒ってるんだけど、もしかして悪い事だと思ってないとか?」
改めて口にした彼女の行動に、口にするまいと思っていた言葉が自然と続く。
「そんな風に無防備に肌を見せてたら、誘われても仕方ないと思うけどね」
「…え?」
きょとんと俺を見返した彼女の仕種があまりにも可愛らしくて、俺の中の苛立ちがますます大きくなる。
「何も知らないみたいな顔で男を誘って、それが無意識だっていうんだから、ホントに性質(タチ)が悪い」
驚愕に目を見開く彼女の鎖骨に指を這わせ、柔らかな肩の円みを撫でる。

「今日だけで一体どれだけの男が頭の中で美咲を犯したのかな?」
「ッ…なんで、そんなこと」
俺の指を振り払うように身体を捻った彼女が腹立たしくて抑えていた感情が溢れ出す。
「もしかして俺を挑発する為に他の男に肌を晒してたのかな?だとしたら、乗ってあげるよ美咲」
肩に置いた手に力を籠めて彼女をソファの上に仰臥させ、そのまま覆いかぶさって細い首に噛み付くように口付ける。
「いたッ…いや……やめて…!」
のしかかる俺を押し退けようともがく彼女の胸元に縫い付けられたリボンを引っ張るとオフショルダーのトップスは簡単に引き下げられ、ハーフカップの可憐なデザインのブラジャーが現れる。
「ごめんね?美咲がこんなコトをするほど足りてなかったなんて思わなかったよ」
女性らしさを増した膨らみに指を埋め苛立ちに任せて揉みしだく。
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