導かれし者達
□第一章 王宮の戦士たちT
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「お、お前は! ライアンではないか!!」
「む、お主バトランドの兵か!」
互いに刃を仕舞った。確かに見たことのある顔だ。暗かったこともあり気付かなかった。
「……俺も今からイムルへ向かう所だ。城下で情報収集は済んでいる。
そう言えば…フレアという婦人の話、あれもイムルの事件と関係があるのだろうか」
「……なんの事かな?」
聞き返すと、大袈裟な反応が返ってきた。
「知らぬとは言わせないぞ! アレクスという夫がいなくなったと言っていた、フレアというご婦人だ。
情報収集を怠るとは…おまえらしくないな」
「うむ…先を急いでいたからな。それは良いことを聞いた、礼を言うぞ」
そうだ、急いでいるのだ。こんな所で立ち話をしている訳にはいかない。
「では私は失礼する。お主も全力を尽くせ」
「分かった。この洞窟は複雑だ。気を付けろよ」
少し行くと、光の溢れる出口が見えた。
…一体、どこが複雑だというのだろうか……。