テニプリ

□侑士くんの日常
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「あ〜、監禁したい」

「は?」

そんな物騒なことをつぶやく侑士に、名無しさんは雑誌をめくっていた手を止め眉をひそめる。

「監禁したい…」

名無しさんを後ろから抱きしめ、顎を肩に乗せつぶやく。

「な、なにすんねん」

「くだらないこ言わないの!」

侑士の頭をぴしりと叩きながらそう言うと、抱きしめる腕の力を強めながら、猛反発してくる。

「くだらないことあらへん!」

「どこがよ?」

「ええか?!今日、何人の男に触られたと思ってんねん!跡部に手ぇ握られ、長太郎に肩抱かれ、岳人に抱きつかれ、ジローに膝枕!」

跡部は、手の甲にできた傷を消毒してただけだし。

長太郎は、荷物が多くてふらついたところを支えてもらっただけだし。

がっくんとジローちゃんは……まぁ、いつものことだ。

「それに」

一呼吸おくと、

「太郎のヤツ、1時間以上も名無しさんと二人きりで!!」

太郎……榊監督とは、次の遠征の打ち合わせをしていただけだ。

「それがどうしたのよ」

「どうもこうもあらへん!!名無しさんはオレんや!!見ていいのも、触っていいのも、オレだけや!!」

耳元で叫ぶと、さらに名無しさんを抱きしめる手を強めた。

これに反論したら、さらに面倒になることは目に見えている。

ぎゅうぎゅうと抱きしめる侑士の腕を宥めるようにそっとなでる。

「侑士」

「…………」

「ねぇ、侑士」

ゆっくり優しく名を呼ぶと、腕の力が緩む。

名無しさんは侑士の腕の中でくるりと向きを変えた。

…………ちゅっ。

「見られても、触られても……こういうことするのは、侑士にだけだよ?」

唇を抑えながらフリーズする侑士にかまわず、読んでいた雑誌にまた目を落す。

「………………や……」

「?」

「やっぱり……」

「??」

「やっぱり監禁したい!!!」

「アホーーーー!!!」



そして、最初に戻る。

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