一転

□楽しみながら
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「あ、女子高生」
「それがどうかしたのか」


アイスも食べ終わり、
ミルクティーを片手にぼーっとしていた真はいきなりそう言った。


皆公園のベンチに座ってぼーっとしていたから、
変な動きをしながら話してる女子高生には目に入っていた。


花の女子高生4人は楽しそうに変な動きをしながら話している。


変な動きってなんだ。


「なあ、×子×校生の×常にあったんだけどさ、」
「あ、あの漫画?面白かったよー!」
「そうそれ。
あれに声つけてやろうぜ」
「はあ?」


丁度変な動きもしてるし、
声のつけがいがある。

動きに合わせて声をつけるのって案外楽しい。

そして一番手っ取り早い暇の潰し方でもある。


「楽しそうじゃんー!
じゃあ俺あの二つ結びの可愛い子ー!」
「じゃああたし身長高いあいつ」
「うち髪の長いあの人で!」
「え、何このやるスタンス」
「葉は今ぴょんぴょん跳ねてる奴ね」
「いや俺やらな、」

「うわーアイス食べたいねー」

葉が言いかけた時にその上から真がさっそく台詞を言う。

「つかそれお前の願望だろ!」

そう言うと葉の担当する女の子が真の担当する女の子に蹴りを入れる。

え、すご、何か嬉しい。

なんて葉は心の中で思ったり。

「いったいなー。ちょ、一発殴らせろし」

真担当の女は蹴られたところをパンパン手で払う。
葉はもうノリノリ。

「やだよばーか!」

そう葉が言うと、
葉担当の女が今度は夏希担当の女を蹴る。

「あいた!何でうち!?」

すかさずそれを制する馨担当の女。

「ちょっと葉ちゃん暴力はいけないよー?」
「うるせぇ!お前も蹴るぞ!」
「うわ、追いかけて来た!」
「逃げろー!」
「待てコノヤロー!」


葉担当の女は走って他が担当する女達を追いかける。


あれ、ちょ、え、


「どこ行った?」
「あ、まじで消えた?」


本当にどこに行ったか分からない速さで、
女子高生は消えて行った。


「つまんね」
「結局葉が一番ノリノリだったよね」
「は!?なわけねーだろ!!」
「でも面白かったねぇ!」
「あー、声かけとけばよかったなあ…」

しゅんとなる馨に更にグサッと鋏を刺してやる。

「どーせフラれるって」
「なにをぅ!」


そう言いながらも
夏希の背中に隠れる。
何故?
てゆーか、馨の方が身長高いというのに。


いつもの事だから気にはしない。
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