一転
□対戦ゲーム
2ページ/3ページ
準備満タンに用意されているゲーム機の前に4人どすんと座る。
「じゃ、最初は俺で決めちゃっていいか?
父さんまで回らないと思うが悪いな」
「えっ、うん、大丈夫だよ」
…余裕そうにしてやがんなぁおい。
「じゃあこっちの最初は…ぱっつん!君に決めた!」
「ポ○モン!?」
そんなこんなで第一回戦。
葉 対 加奈
になった。
ゲームは対戦もの。
3戦やって勝った数の多いほうが勝ち。
一戦目。
「え、何これ、△ボタンって何これ…え、あぁー!!」
ぱっつん。使い方が分からず負け。
一回目は仕方ないって。慣れが大切だって、うん。
二回戦。
「うぅ…」
「おい斑ぁ!余裕だぞ!!」
次もぱっつんの負け。
ここで気づいた。
確かにぱっつんは強いけど、それはRPG的なのがめちゃくちゃ得意で…
こんな1対1の対戦ゲームは苦手だった事に。
だが気づいた時にはもう遅く…
一回戦はあっけなく葉の勝ちで終わってしまう。
葉のあの勝ち誇ってる顔、すぐにぶっ潰してやるぜ。
「…ごめん真〜。」
「いいって。あとは俺っちに任せんしゃい」
しょぼんとするぱっつんの頭をぽんぽんと優しく撫で、ゲーム機の前へ。
そしてコントローラーを握る。
横でニヤニヤしている葉に一言。
「お前が負けたらケーキ奢れよ」
それを聞いた葉は一瞬驚いた顔を見せるとまたすぐに楽しそうに笑って
「いいけど、負けねえよ」
で、二回戦スタート!
「なっちょッ…」
「…」
「ちょっ…タ、タンマ!!」
二回戦はさっきよりもあっけなく終わってしまう。
どっちが勝ったかって?
そりゃあたしに決まってる。
皆開いた口が塞がっていなかった。もちろん葉も。
そうさ、皆あたしを見くびってる。
あたしは物心ついた時からすでに手にはゲーム機を握っていた。
なんたって師匠までいたんだ!
負けるハズがねぇ!!
「はい、んじゃ葉はケーキ買ってくる」
「は!?今から!?」
「負けただろぃ!!」
「くッ…!!」
何も言い返す事のできない葉は言葉に詰まった後、納得のいかない顔をしながらケーキを買いに出て行った。