一転
□ほっと home
2ページ/6ページ
「………何?」
「何じゃねぇよ!ほら、葉兄ちゃん来た」
「は?葉?」
「ちーす」
家に上げていいよと言う前にずかずかと上がってきては、「あー寒かった」と言いながらこたつに迷わず入る葉。
「何か用?」
まだうまく開かない瞼をこじあげながら聞いてみる。
「ああ、たまたま家の前通りかかったからあったまりに。」
「おお、成る程」
ぱっつんの寝息が聞こえる。
きっと寝ちゃったんだろうな。
って今まであたしも寝てたか…
むぅ。
窮屈で足が伸ばせない。
時計を見れば9時15分。
おおー…結構経ったんだなー。
そんな事を考えながらしばらくぼーっとしていると葉の寝息まで聞こえてきた。
な、何なんだ皆。
人んち来てすぐこたつ入って寝ちまうなんてそりゃねぇよ。
「なあ姉ちゃん、皆何しに来たんだ?」
気が付けばこたつに入って寝ている二人を不思議そうに見つめる弟の姿が。
こたつは4人入ってぎゅうぎゅうである。
「俺に聞くな…弟よ」
フッ、とかっこよくキメてみるが未だに目もしっかり開かずかっこよくない。
まあ、そんな事はどうでもいいんだけどね。
結局睡魔には勝てず、あたしはそのまま爆睡。
弟も爆睡。
皆爆睡。
こたつに入ってみかん片手にとにかく寝た。
夢なんて何見たか覚えてないくらいぐっすり。
そしたらいきなり足を誰かに蹴られた気がしてぱっと目が開く。
誰だ、寝相が悪い奴は。
「あれ…?馨?」
あたしから見て左側のこたつに入っていたのは確かにぱっつんだったはずなのだが何故かそこには馨がいる。
何故だ。
どんな技を使ったんだ。
しかも馨もぐっすり寝てるし、あれ、こいつ勝手に人んち上がって来やがったな。
時計を見れば11時。
寝すぎた。
これじゃ後で朝までぐっすり寝られる気がしねぇ。
ああ、そうか。
もう遅いから親が心配しちゃうしぱっつん帰ったんだな。
ただ、こいつ(馨)が来た意味は分からんけど。
……いや、待て、
冷静に考えろ自分…。
11時って事は色々やばくないか?
いや、何がやばいってほら…
こいつらの親御さんとかがね?
あ…まあ葉は大丈夫か…
妹いるけど。
馨は駄目だろ流石に
って事で頭にみかんを軽く投げつけて起こす。
「おーい、朝ですよー」
「ん〜、あと24時間〜」
「冗談じゃねぇ泣き虫が」
「誰が泣き虫だ!!!!……あれ?」