一転

□静かだったのに
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サアァ



涼しくなった季節。
肌寒い風が髪をくすぐる。


「カーディガン着てきてよかった…」


いつもより冷たい風。


今まであんなに暑かった温度と生温い空気。

それがいきなりこうも簡単に冷たく変わる事ができる。

面白い。


そしてこの肌寒いくらいの温度はカーディガンを着てる事であまり震えるほど寒くもなく、
あまりにも丁度よすぎて眠気を誘う。




「静か…だなあ…」



ここは屋上でも、
学校の屋上だ。
流石に学校にしては静かすぎた。



そりゃそうだ。
なんたって今は授業中。

めんどくさくてサボってきた。



生徒会の人間がよくやるよほんと。



バレたらヤクルトに怒られるな…

まあ次はもう昼食だし心配はいらない、うんうん。










「内瀬ぇええ!!!!!」

「うわああああ!!!!」

「のわ!!さ、叫び返すな!!!」



ああ…ありえねぇ…


目の前にはヤクルトの顔。

くそっ、ヤクルトの事考えながら眠りにつこうとしたからこうなったのか!?


だったらヤクルトすげぇ!


「よ…よぉ」


「よぉ。じゃない!
貴様、生徒会の人間が授業をサボっていいと思っているのか!!」


「え、てか何で分かったの…?」


「英語担当の御栄(ミサカエ)先生が貴様を探していたからだ!」



げぇー、
御栄のやろーなんてことしてくれんだよ〜…


こーなったらヤクルト止まんねーって。




めんどくさいぞこれ…

くそ、こんな時に葉がいたら押し付けんのになぁ。


葉も御栄のスキを狙って屋上にサボりにこないかなー。
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