一転

□憧れ
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それはまだ、僕も、いつもの皆も小さい時のお話。



「だっせー!女に守られてんなよなー!」

「う、ぅぅ」

「はは!泣きやがった!泣きやがったー!」


目立つ事も羨ましがられる特技も、何もない僕はよくいじめられた。



「ちょっと、やめなさいよー!」


それを守ってくれたのが



僕の幼馴染の加奈ちゃんだった。



僕は男なのに、女の子に守られる。


皆が馬鹿にして僕をいじめた。


辛かった。悲しかった。



家に閉じこもってよく泣いた。


こんなめんどうな男じゃ、加奈ちゃんにまで嫌われる…!


そう思うと胸が苦しくなる。


僕は、どうすればいいのだろう。


どうすれば加奈ちゃんみたいに強く、女の子だって守れるような男の子になれるのだろう。



考えても小さい頃の僕じゃなにも答えなんて見つからなかった。



だからずっと、加奈ちゃんが羨ましくて、僕の憧れだったんだ。



強くて、恐れを知らずに他の男の子に注意して僕を守ってくれる加奈ちゃんにすごく・・・



憧れた。
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