一転

□どちら様?
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「おはようございます、そーまさん」
「おー、智。おはよー」
「?あ、またですか?」
「うん。
最近多いよね、喧嘩」
「よぉ、珍しく早いなお前等」
「あ、しょ、」
「「…誰?」」
「今言いかけただろ?」



―どちら様?




「いやーびっくり。
急に眼鏡かけて来るんだもん」

昼休みの屋上。
やっぱり晴れてる屋上は気持ちいい。
でもこの季節だからすごく暑いけど
朝会った祥は眼鏡をかけていたらしい。

「ほんとどうしたんですかいきなり。
女にフラれましたか。」
「いや違うから。
コンタクトがちょっとな」
「え、佐々木くんってコンタクトだったんですか」
「あぁ。」
「それに怪我してるし、目のとこ」
「まあ、平凡なお前等とは違って俺には色々あんの」

そう言って深い溜息をつく。
目の横は痛々しく赤く腫れている

いやほんと、何があったんですか

そう平凡な二人はめちゃくちゃ聞きたい。

まあ相手が話す気になるまで待つ。
これが僕等のやりかたでもあるから、、
知りたくてもそこは我慢だよ、うん。

ドサッ

「ってぇ!!」

下のほうで嫌な音。
何事だろうと思い一名除いて下を見る
除かれているのは彼女、篠塚智。
智はそう、ものすごい高所恐怖症なのだ。

屋上から下の様子を覗く?
無理無理、自殺行為ですよそれ。

つい最近彼女が祥に向かって言った言葉である。

「で、やっぱりまたあれですか」
「お前今サラッと弱み握られたぞ」
「ちっ・・・で、どうです?」

サラッと舌打ちをした後、覗けない下の様子について聞く智。
まあ、何が起こってるかなんて想像できるだろう。

そう、またしても喧嘩だ。

「喧嘩好きだねー彼も」
「前までこんな事なかったですよね、最近になって現れたみたいですし」
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