◆◇Dream◇◆


□black cat
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χ・χ・χ・χ・χ



「えっと…」

「…(ジーッ)…」

「…ここに何か用かな…?」



店の前で動かない少女



「えっと…?」

「…見えるんだ…」

「え?」

「ふぅん…

 変な人…」



無表情無感情に

言う

真っ黒な髪

黄色い目の少女



「またね…」

「あ、ちょっと!!」



少女は消えてしまった



χ・χ・χ・χ・χ



「へぇ…

 そんな事が…」



君尋は侑子に

少女の事を話す



「って…

 興味ないでしょう…」

「どうせ

 あやかしか何かでしょ」

「そうですけど…

 自分からそんな事

 言うなんて…」

「じゃぁ

 雨童女とか座敷童とかの

 類じゃないの?」

「そんな適当な…」

「で、シフォンケーキは?」

「あ!!」



君尋は慌てて

台所へ駆けて行った



χ・χ・χ・χ・χ



(なんだったんだろうな…)



登校中

昨日の事を何度も考える



(見えるんだって…

 他にも居るだろうに…)

「居た…

 変な人…」

「わぁっ!?」



目の前に

昨日の少女



「いつの間に…

 って言うか変な人って…」

「変だもん…」

「確かに変だな」

「百目鬼!?

 って言うかお前…

 見えるのか…?」

「あぁ」



2人でじっと

少女を見詰める



「あやかしじゃ…ない…」

「あやかしじゃないって…

 じゃぁ君は…?」

「見える…

 見えない…

 それはその心…」

「は?」

「またね…」

「あ、ちょっと!!」



少女はまた

消えてしまった



χ・χ・χ・χ・χ



「何なんでしょう…」

「あぁ

 女の子?」

「はい…

 って!!」

「何よ…

 大きな声出して…?」



君尋は少女が門に居るのを見付けた



「…居るのね」

「居るのねって…

 見えてないんですか?」

「えぇ…

 でも…

 かなりの大物よ」



侑子は少女が居るであろう場所を

ただじっと見て言う

まるで見えているかのように

少女の動きを目で追う



「侑子さんに何か?」

「…」



君尋の質問には答えず

侑子をじっと見詰める少女



『あ、居た!!』

『どこ!?』

『あそこ!!』

「座敷童?雨童女?」

「あら、どうしたの?」



2人の目の前に降り立つ

雨童女と座敷童



「この子を探してたんです」

「私には見えないけどね」

「この子を?」

「見付けたにゃ!!」

「猫娘まで…」

「どうしたの

 揃いも揃って」

「対価にその子をってね」

「見えないのに?」

「クロ

 元に戻るにゃ」

「…(ボンッ)」



煙を立てて

少女は猫に変わった



「黒猫?」

「なるほどね

 私にも見えない

 大物の正体は

 化け猫か」

「化け猫?」

「尻尾が2つ」

「あ…」

「それだけじゃないわ」

「にゃー…」

「喋るの」

「黒猫です…」



黒猫は無感情に言った



「黒猫だからクロって呼んでるの

 人間に化けると

 見える人にしか

 見えなくなるのよ

 ちなみに尻尾は

 あやかしが見える人間にしか

 1本しか見えないみたいよ」



雨童女が説明する



「それで?

 対価って事は

 何かあるんでしょ?」

「えぇ…」



雨童女が口を開いた



χ・χ・χ・χ・χ
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