◆◇Dream◇◆


□black cat
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χ・χ・χ・χ・χ



「えぇ…

 俺が面倒見るんスか…?」

「そうよ

 クロの要望だから」

「クロは退屈が嫌いだ…

 君尋と居れば

 退屈しそうにない…」

「何だよそれ…」



クロの要望により

君尋は連れ歩く事になった



χ・χ・χ・χ・χ



「へぇ、可愛い♪」

「触っても平気だって

 侑子さんが」

「落ち着く…」

「こら!!

 学校で喋るな!!

 侑子さん曰く

 百目鬼よりひまわりちゃんに

 似てるって」

「へぇ」

「じゃぁ俺は

 合わないのか」

「そうだ!!

 ざまぁ見ろ百目鬼!!」

「合わないんじゃない…

 落ち着くだけ…」

「だから喋るなって!!」



ひまわりの膝で丸くなるクロ

安心しきったかのように

目を閉じている



「四月一日君

 何だか百目鬼君と

 話してるみたい」

「何だか

 百目鬼が増えたみたいだよ…」

「喜べ人間…」

「だから何で偉そうなんだよ…」



君尋はいつも以上の疲れを

感じていた



χ・χ・χ・χ・χ



「良いだろ別に」

「お前と居なきゃなんないんだぞ…」

「良いだろ別に…」

「何でお前は真似してるんだ…

 モコナみたいだな…

 黒いし」

「勝手に一緒にするな…

 クロとモコナは違う…」

「って言うか…

 よくそんな所に

 乗ってられるな…」



クロは静の頭の上で

くつろいでいる



「お前も重くないのか?」

「あぁ」

「クロは軽い…」



君尋はふと

クロを抱えた事がない事に気付いた



「そんなに軽いのか…?」

「あぁ」

「客観的なことは分からない…」



そんな事を言いつつ

降りる気配はない

君尋は

今この場で

それを確かめるのを諦めた



χ・χ・χ・χ・χ



「侑子さん

 出来ましたよ」

「今日は何〜?

 あ、カルボナーラ♪」

「クロはミルク要るのか?」

「要らない…」



クロはただ静かに

君尋の後を

付いて歩いている



「可愛いじゃない

 懐かれてるみたいで」

「懐かれてる『みたい』なら

 意味無いっスよ…」

「クロは懐いてる…

 と思う…」

「自分で『思う』言うな…」

「君尋は嫌いじゃない…」

「ったく…

 可愛がりがい無いな…」



君尋がクロを見詰めると

クロも君尋を見詰める

そして

いつも先に目を逸らすのは君尋



「あぁ、もう…

 何なんだよ…」

「?」



何となく

負けたような気がして

ならないのであった



χ・χ・χ・χ・χ



「何か無いのかよ…

 猫じゃらしで遊ぶとか

 餌ねだるとか…」

「普通の猫とは違う…

 猫娘とも違う…」

「そう言えば

 何でお前

 対価にされてるんだ?」

「クロはどこに居ても

 退屈だから…

 猫娘と共に居た…

 それでも退屈だった…

 だから対価になった…」

「おかしいだろ…

 何で「君尋はそんなに

    クロが嫌…?」

「…そうじゃないけど…」



クロは再び

君尋を見詰める



「…はぁ…

 良いのか?

 お前は」

「何が…?」

「対価なんかにされて」

「君尋は退屈じゃない…」

「なら良いけど…」



君尋は家事を終わらせ

家に帰る事にした



χ・χ・χ・χ・χ
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