短編

□花言葉
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新名あかり、職業高校生。あだ名は名字からとってニーナ。
見た目、平凡。成績、中の下。運動神経、並。
彼氏いない歴1年、もちろん彼女はいたことはない。
そう彼女なんか、考えたこともないわけで。


「……えっと」
「ニーナちゃん、あたしの彼女になって下さい!」



この1日1回言われる台詞にたじたじなのです。



平凡なあたしは園芸委員会に入っている。
2年のときクラスの委員会や係決めで、競争率が少なくかつあまり大変そうじゃないやつを選んだ結果、園芸委員になった。
そして3年になった今は、あまり誰もやりたがらない水遣りをなんとなく毎日やっていたからか、前委員長の推薦で副委員長にまでなっていた。
微妙に逃げられないポジションで、長にはなりきれないというのがなんともあたしらしい。

放課後、太陽が少し沈み始めたらあたしは花壇に水を遣りに行く。
花壇への水やりは当番制なんだけど、部活で忙しい人の分も含めあたしがやっている。
みんなそんなに忙しくないのはわかってはいるけど、水遣りをめんどくさいとは思わないし、嫌いじゃない。
それに花は好きで、家でもお母さんと一緒に育ててるぐらいだから特に特別なことを遣っている気でもなかった。
習慣と言えばそうだし、趣味だと言ってもおかしくはないのかもしれない。
 
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