短編

□半径50センチメートル
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「え?なに?」


まだちょっと顔が赤いつばさ。
男もちょっと顔が赤くなる。
長年一緒にいるあたしの予想だと、


「好きです!俺と付き合ってください!!」


告白だ。


つばさへの告白なんか見慣れてる、小さいころからずっと見てきた。
ただその度に、言葉にできない不安が付き纏う。
実際、見てて良い気分ではない。



「あ…、あのね、あたし付き合ってる人いるからごめんなさい」


でも!と男は一気に話しだす。
吉井さんの彼氏がいるっていう噂は聞くけど、実際誰も見たことないっていうし、もし彼氏いないなら俺はあきらめられない、と必死に言う。
どこから流れたか知らないが、あたしのところに噂は嘘か事実かの確認しにくる人たちが多い。
男子や女子にもあたしはよく聞かれ、正直相手はあたしですーと能天気に答えることはさすがにできない。
だから親友的な立場として、毎回それに答えている。

しかしまあ、今回のはしつこい。
つばさがこっちをしきりに見てくる。
そろそろいいかなー、と一歩前に出てつばさの肩に腕をのせる。


「はいストップー」
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