ハネモノ

□16話、フレンド
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右頬がやけに熱く感じる。
ずきずきと切なさともとれる痛みがあり、目には涙が溜まっていた。



「あーしゃん」
「なに?あたしの寛容さんに感激した?」
「てーふぁなへ!」



手ー離せ!と言いたいのにまぬけな発音をしながらあいの腕を叩く。
やっと頬の痛みから解放された。








フレンド








「あーちゃんなにがしたいんさ!つーかニヤけすぎ!!」



じんじんとする頬を押えながら、涙ながらに訴える。
あたしの頬をつねる理由なんか絶対ないのに!



「まーまー。クールダウンしなってー」
「どの口が……」
「で?はじめちゃん、誤魔化さないで言うことあるでしょー」



相変わらずの笑顔に軽い口調。
さっきまで馬鹿みたいに緊張していた自分に、緊張するだけもったいないと言ってやりたい。
むしろさっきの気持ちを返して欲しいぐらいだ。
今まさに不貞腐れながらも、素直に答えようとしているあたしもどうかと思うけど。



「誤魔化すもなにもバレバレなんでしょ」



うんうんと頷くあいを見て、溜息をついた。
体操座りをして顔を膝にうずめる。



「……夕季先輩のことが、好き」



なんだこの羞恥プレイと思いながら顔を上げずに言う。
照れんなよーと頭をぽんぽんと叩かれ手を振り払った。
ここで照れないやつがいたら、あたしはその人を尊敬するよ!
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