進んでゆく物語

□02
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ケータイを片手に道を進んでいくと、
マンションがいくつか並んでいる景色になった。

そしてメール文を頼りに、公園の向かい側にあるマンションを見つけた。
そのマンションを見て、私は思わず固まる。


「な、何なんだ……」



私でも……いや、小さい子供でも“最高級の物である”とわかるような
高貴なマンションがそこにあった。



本当にここなのかと疑いたくなったが、公園の向かい側にはこのマンションしかない。
私は一応、警戒しながらエレベーターに乗って14階を目指した。








「えーっと……、1402号室だったっけか?」


14階につくと私は自分にも聞こえないような声で小さく呟いた。

1402と書いてあるプレートを探す。


この階は最上階らしく、部屋も3部屋しかないらしい。
探していた部屋は、すぐに見つかった。


「お、ここか」


目的の扉の前に立つと、変に緊張した。
私はカギを取り出そうと、鞄を探る。
その時、黒猫が廊下の端にいるのを見つけた。


猫と目があった。
なんだか目を反らしたら負けなような気がして、じっとその猫を見つめる。

数十秒が経ち、終わりが見えないと感じた私は素直に負け
を認めた。



「ったく……いつまで見てる気だよ」


私が目を反らしたのにも関わらず、
まだ私を見ている猫に向かって軽く笑った。
嘲笑いとかじゃなくてちゃんと微笑んだぞ。



いつまでもこの猫と遊んでる訳にもいかないので、
私はソイツを無視してさっさと部屋の中に入ることにした。

さっき見つけた部屋のキーらしきカードは、
やはりカードキーだったらしく、鍵のところにかざしたらピッと電子音がなった。
どうやら開いたらしい。


私は緊張しながらも、ドアを開けた。



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