狂詩曲−rhapsody−

□08
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夕食も食べ終わり、一段落がついた。


「では、そろそろ寝ましょうか」

「そうね。明日は早めに出なきゃいけないし…」



ゴーシュの提案にショーは頷いた。
シャルは自分とショーの分の寝袋を敷く。


そして一同はそれぞれの寝袋に入り、横になった。







「ねぇ」


皆が寝たかと思われる時刻になった頃、ショーがおもむろに口を開いた。


「……」


ゴーシュは自分が話しかけられていることを気づいているが、寝た振りをしている。

「ねえねえ」

「………」

「ねえってば!」

「……何でしょう?」


ゴーシュは仕方なくといった風に返事をした。



「明日で、お別れだね」

「そうですね」

「これでも一応、寂しがってるんだよ、私」

「そうですか」

「ゴーシュは……寂しくないの?」

「ある程度は。」


返ってくるゴーシュの言葉は、実に素っ気ないものばかりだった。

ゴーシュと会話はしているが、当の彼は向こうを向いてしまっていて、表情がわからない。

不信に思ったショーは、少しだけ強めの声で言った。


「そんなに素っ気ない返事をしなくたって良いじゃない……!!」

「…………」


彼は、沈黙を通した。
それから一言もお互いに話さないまま、夜は更けていった。

ショーもだんだんとうとうととし、少し経つと夢の中へ入っていた。





「……っ、ショー………!まだ、離れたく…なんて、ありません…っよ」



その隣で、ゴーシュが人知れず涙を流していたのは彼以外誰も知らない。
相棒のロダでさえも、彼の心の内はわからなかった。




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