狂詩曲−rhapsody−

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「そう言えばショーの配達って速達が多いですね」


ゴーシュが思い出したように言った。


「ええ、確かに速達が多いけれど普通の配達もするわよ」


ね、シャル。とショーはディンゴに同意を求めた。
シャルもそれに頷く。


二人のBEEとそのディンゴが歩いているのはまだまだ続きそうな一本道だった。




他愛の無い会話をしながら道を進んでいくうちに、
あたりはだんだんと暗くなっていた。


「そろそろ暗くなってきたわね……」


ショーが空を見上げながらぼやく。


「そうですね。今日はここで野宿にしましょうか。」

「仕方ないよわね、もうすぐ真っ暗になるだろうしあんまり進めないわ」


ゴーシュの提案にショーも賛成した。
二人のディンゴも依存はないようで、黙々と歩いている。



「じゃ、ここでストップしてご飯の準備でもしますか!」


ショーの言葉で一行は足を止め、荷物をおいた。
そしてバックを漁り始める。


「ショー様、俺は火をおこします」

「そうね、ありがとう」

「ゴーシュ、ロダを借りる」

「え、ああ、どうぞ」


シャルは薪(たきぎ)を集めにロダを連れて近くの森へ入っていった。


「じゃあ、私たちも食事の準備をしてようか」

「はい」


ショー達もスープや野菜を準備し始めた。
辺りは既に先程とは比べ物にならないくらい暗かった。






食べ物の準備ができるころ、シャルとロダが薪を持って帰ってきた。


「あ、お帰りなさい。シャル、ロダ」

「お待たせしました」

「ううん、待ってないから良いわ」



ロダを撫でながらシャルから薪を受け取る。

ショーは薪を重ねて、シャルに言った。


「あとは火をおこすだけね。シャル、お願い」

「はい、ショー様」



シャルは低く積み上げられた薪に向かって火を吐いた。
メラメラと薪が燃える。


ショーはありがとう、とシャルにお礼を言ってから料理をし始めた。



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